断食と聞けば昔の修行僧が行っていた荒行を思い浮かべますが、プチ断食となればそのイメージも大きく違ってくるでしょう。
断食はダイエットの中でも最も効果の高い方法ですが、強い忍耐力と精神力が求められる上、長期間継続して行うと筋肉量の低下や、エネルギー不足により日常生活に支障が出るため、まず一般の方はチャレンジすることはできません。
そこで、現代人向けに簡単に誰でもできるようにアレンジされたのがプチ断食。
本来の断食のように長期間に渡って行うのではなく、基本は1日3食を目安に食事を抜くダイエット方法です。
これなら週末や休日を利用して行えるので、日常生活に支障をきたすこともなく、気軽にチャレンジできるのです。
しかし、1日断食したからといって、ダイエット効果なんてあるのかと不安に感じる方もいることでしょう。
もちろん食事をとらないわけですから体重自体が減ることは間違いないです。ただそんな日数では大幅なダイエット効果は現れません。
このプチ断食は短期間で急に痩せることを目的としておらず、身体を痩せやすい状態に導いてやるための、いわば本番前の準備期間的なものなのです。
・プチ断食なら自分でもできる
断食というのは「絶食」、つまり、食べ物を断つということです。
何も食べないことで体内環境を一度リセットするという方法で、美容だけでなく消化器系の不調を整える療法として世界的にも行われている方法で、ファスティングとも言われます。
断食療法は、一般的に専門の病院に入院して、一定期間、検査を受けながら医師の元で進められるプログラムです。
病院によって細かい方法は異なりますが、個々人の体調や体重、疾患、年齢・性別など細かい条件に沿って一人ひとり違ったプログラムが設けられ、それに従って治療が行われます。
プチ断食というのは、そこまで専門的な療法ではなく、自宅で自分で出来る範囲で口から摂取する食べ物を制限し、消化器系を休ませる健康法です。
命に関わるような危険な絶食は絶対にいけませんが、水分や酵素ドリンクなどを摂取しながら1食から3食分程度制限することで、胃腸を休ませ、溜まった不要物をデトックスするのが目的となります。
目次
プチ断食の効果は?
プチ断食は先ほど言ったように、ガッツリ痩せるためのダイエット方法ではありません。
太りやすく痩せにくい体質を改善するために行う、ダイエットの前準備なのです。
どんなダイエットにチャレンジしても、思ったような効果はないという人はいませんか?これは身体が痩せにくい体質になっているからです。
そんな状態でいくらダイエットを行っても、評判通りの痩身効果は現れません。そんな場合はまず、その体質改善から行う必要があるのです。
プチ断食の効果は下記の通りです。
・宿便・老廃物の排出効果
・疲労した消化器官の回復
・肝臓の活性化
・コレステロール値の正常化
・精神の安定
この中でも宿便の排出効果と消化器官の回復はプチ断食の要となります。
太りやすく痩せにくい体質になるのは腸内環境の悪化と消化器官の疲労が大きく影響しています。よって、この2つは太りやすい体質からの脱却に大きな効果を発揮するのです。
肥満の原因に多い過食は消化・吸収が過剰になり、腸では排泄が十分にできない状態になります。よって、老廃物がそのまま蓄積されることとなり、そこから排出される有毒ガスが腸内環境を悪化させます。
この有毒ガスは血液に乗って運ばれるので、腸内環境だけでなく、体内の各臓器の働きも低下させてしまいます。
よって、老廃物を腸からキレイに排出してやることによって、腸内環境が正常化される土台が作れるのです。
また、消化・吸収が過剰な食事は消化器官を疲弊させてしまいます。
そこでプチ断食の消化・吸収がない時間を過ごすことで、消化器官は疲労回復でき、消化・吸収の活性化が進む土台ができます。
たった1回のプチ断食で完全に痩せやすい体質になるわけではありませんが、継続して行ってやることでその効果が実を結び、太りやすい体質から脱却できるのです。
プチ断食が良い理由
現代人は食事によって消化器系がストレスやダメージを受けていると言われていて、これと言った病気とまではいかなくても、慢性的な疲労感やしつこい便秘、片頭痛、肩こりなどが発症していると言われています。
プチ断食では酵素を利用するとより良いですが、自分の消化酵素を使わずにエネルギーは摂取出来るので、消化器系をしっかり休ませて毒素や老廃物を排泄することが出来ます。
プチ断食のやり方は?どういう方法?
それでは実際にプチ断食のやり方を簡単に説明しましょう。
自分で行う場合は1食から3食、つまり丸1日以上は断食しないようにして下さい。また、何か疾患がある人や体調の悪い人は行ってはいけません。
そして、いきなり始めるのではなく、準備日と当日と復帰日と、3日間必要です。
いつもの食事より少なめの量にして、消化の良いものを食べて夜9時以降は食べないようにします。アルコールの摂取は控えましょう。
お前が口にして良いのは以下の4つだけだ!w
・水(ミネラルウォーターや湯冷ましなど)
・野菜ジュース(無糖)
・ヨーグルト(無糖)
・酵素ドリンク
プチ断食当日は1日を上記4つの摂取だけで過ごすだけです。
水(ミネラルウォーターや湯冷ましなど)や野菜ジュースや酵素ドリンクなど水分だけを食事代わりにします。ヨーグルトはOK!水分は1リットルから2リットルくらいは飲みましょう。ジュース、コーヒー、紅茶、緑茶などは飲んではダメです。もちろんアルコールもタバコも厳禁です。
プチ断食中、あまり空腹感は感じない人もいます。どうしても空腹になる場合は、繊維質が少ないフルーツを食べる方法もあります。夢中になれる楽しいものがあると、意外に我慢出来てしまう人も多いようですよ。
酵素サプリメントがある人はそれを飲むことで食物酵素の補給ができ、相乗効果も期待できるのでおすすめです。
朝食は何も食べていないお腹をビックリさせないよう、消化の良いものをゆっくりと食べてください。スープやおかゆ、りんごなどを食べて、いきなりたくさん食べないようにしましょう。
これが初心者にもおススメの1日バージョンのプチ断食の方法です。
とても簡単でしょ?
と言いたい所だけど、復帰日(回復日)がとても重要なのでそちらについては以下で解説します。
プチ断食で重要な復帰日(回復日)の過ごし方
プチ断食には下記の3つのフェーズがあり、この3つを1クールとして考えます。
・準備期
・断食期
・復帰期(回復期)
準備期は断食に入るため心と身体の準備をする期間で、断食期は実際に断食を実行する期間、そして回復期が断食後の体の再構築を行う期間です。
この中でも最も重要となってくるのが回復期。
断食後の身体はデトックス効果によって体内の毒素や老廃物など不要なものが排出された上、まったく栄養になるものを摂取していないため、効率的に栄養を体に取り入れようと待ち構えている状態です。
よって、この時期は身体にいい栄養を取り入れていくのに最高の時期なのですが、その反面、何でも栄養として取り入れようという働きが作用するため、良くないものを摂取しても、それを積極的に体内吸収しようとしてしまいます。
つまり、良い栄養を入れても、悪い栄養を入れても、いつも以上に吸収するのでその結果が大きく左右されちゃうって事。
もしこの状態で食品添加物など良くないものを摂取してしまうと、せっかく行ったプチ断食の効果が半減するどころか、何の効果もなくなってしまう恐れだってあるのです。
また、この時期はリバウンドが起こりやすい時期でもあります。
何も考えず高カロリーな食品を摂取したり、食べ過ぎたりすると、アッという間にリバウンドしてしまい、プチ断食をした意味がなくなってしまいます。
生酵素ちゃん
回復日をうまく過ごさないと、せっかくデトックスしたのにまた悪いものを入れることになってせっかく体重が減っても台無しだよ~
そうならないためにも回復期の過ごし方には最大限に注意を必要とするのです。
回復期(回復日)はプチ断食を終えた仕上げの日です。プチ断食は、断食日が終われば終わりではなく、最後の回復日までクリアしてはじめて完了となります。前日の準備日、当日、回復日という3日セットこそが大切で、特に重要なのが最後の回復日だと言われています。
回復期の食事が大事!回復食はどうする?
回復期で一番気を使わなければならないのは食事です。
先ほど言ったように、身体は何でもかんでも溜め込もうと待ち構えている上、胃腸などの消化器官はずっと休んでいたため、いきなり通常食を口にするととんでもないことになってしまいます。
よって、回復期の食事は徐々に通常のものへ戻していく過程が必要になってくるのです。
まずは胃腸に負担をかけないようなるべく固形物や油物は避け、まずは重湯から始めて、お粥⇒味噌汁⇒白米のように移行するようにしましょう。
冷たいものは胃の負担になるので、最初は温かいものである必要があります。だんだん固めの固形物に変えていくというイメージです。
またおかずも味噌汁や梅干などの副菜から初めて、最終的に魚肉類へ移行してください。
流動物から固形物へ、少量から通常量へと胃腸の負担にならないよう、ゆっくりと移行していくのがポイントです。
フルーツや野菜もいいのですが、食物繊維が多いものは避けたほうが無難です。小さく切って柔らかい温野菜にすると良いでしょう。また、脂質やアルコールは避けたほうが無難。高カロリーなものはリバウンドの原因になります。
回復期の過ごし方
回復日は、弱った体をしっかりいたわる過ごし方がベストです。
ダイエットのことばかりを考えるのではなく、精神的にも肉体的にも解放されるようなリラックス日を心がけましょう。
体内もそうですが、自分のすべてを一旦リセットするという意識がポイント。
出来ればあまりデジタルモニタなどを見ずに、好きな音楽をゆっくり聞いたり、好きな本をゆったり読んだりして優雅な気分で過ごしましょう。
絵を書いたり文章を書いたり、何かクリエイティブな事をするのもいいかもしれません。イライラしたりカリカリしたり、焦ったりはしないこと。
回復日の過ごし方ひとつで、その後の精神と体質に良い影響を与える事だって出来るのです。
回復期にかける日数は何日くらい?
回復期の食事は徐々に通常へと戻していくのが基本ですが、その戻し方はプチ断食を行った日数によって調整します。
プチ断食の期間が1日なら1日、3日なら3日といったように、行った日数に合わせて行うようにしましょう。
この調整を間違えてしまったら、プチ断食をした意味が全くなくなってしまいます。
回復期はプチ断食の成否がかかった一番大事な時期でであるとともに、体調にも十分気を使わないといけない時期です。
この体内吸収率が高い状態で高カロリー食を食べると、せっせと吸収しようと胃腸が働き出すので大きな負担が掛かり、せっかく休息させて回復した胃腸も全く間に疲弊してしまいます。
またリバウンドも大きな懸念材料になります。
プチ断食の効果を瞬く間になくしてしまうことにもなりかねないので、「回復期=断食した日数」を守るようにしましょう。
回復食におススメの食品って何?
それでは回復期を上手く乗り切るためにも、この時期の食事に適した食べ物を紹介しましょう。その食品は下記の通りです。
・回復期に食べて良いもの(回復食向き)
穀物、重湯、おかゆ、そば、うどん、豆類、納豆、豆腐、高野豆腐、味噌、豆乳、根野菜、玉ねぎ、かぼちゃ、じゃかいも、人参、大根、葉野菜、小松菜、キャベツ、白菜、レタス、水菜、ブロッコリー、海藻類 ワカメ、もずく、ひじき、昆布、海苔
・回復期に食べないほうが良いもの
動物性食品 乳製品、ハム、ソーセージ、動物性タンパク質、魚肉類、卵、高カロリー食品、揚げ物、バター、マヨネーズ、スナック菓子、カフェインの入った飲み物、コーヒー、紅茶、緑茶、ウーロン茶
回復日で最重要なのが回復食選びです。いきなりたくさん食べるのは絶対にいけませんし、回復食はだんだん増やして行く必要があります。
最初にも言いましたが、1度のプチ断食では大きな効果を感じることはないかもしれませんが、定期的に継続して行えば、体調の変化を実感できるようになります。
1日のプチ断食なら誰でも気軽に挑戦できますから、興味のある方は試しに1度チャレンジしてみてくださいね。